中世以降は、伊勢の神宮に対する信仰が全国的に広がり、神宮からの御神札(おふだ)を清浄な棚におまつりしました。 最近は、モダンなデザインの神棚(宮形)や壁掛けできるものも多くなってきました。一般的には、お神札は家族揃ってお参りできる場所、目線より高い位置などに丁寧におまつりし、お神札の前面が南か東の方向を向くと良いとされています。 地域伝来のおまいりの仕方や、住宅事情も様々です。まずは、それぞれの生活スタイルに合わせ、「できるかたちでおまつりする」ことが大切です。
お神札と
家庭のまつり
太古より伝えられてきた大切な「こころ」
私たちの祖先は自然に象徴される神々の恵みを受けて、その中で生かされていることに感謝し、自らの心を正して清らかな気持ちで日々の生活を送ってきました。
そして、太古より大切に伝えられてきたこの「こころ」は、現代に生きる私たちにも「正直に生きようとする姿勢」や「おもいやりの心」として今に生きています。
日々の生活を「神さま」とともに
家の守り神として、神さまをおまつりする「神棚」。生活の中に「祈りの場」を設けおまつりするその心は、 私たちの祖先が長年にわたって伝えてきた日本人の麗しい伝統的習慣です。お神札(おふだ)と神棚のまつり方
お神札と神棚のまつり方
心を豊かに育む「感謝」と「祈り」のこころ
物や情報があふれ、せわしない日常の中で、私たちは時に自分の心を見失いがちです。神棚の前で自分自身を深く見つめ、静かに手を合わせることで、見落としていた心に気づき、「今、生かされていることに感謝する正直な心」へと立ち返る事が出来ます。
お伊勢さま・氏神さま(うじがみさま)って?
御神札(おふだ)とは
神社のご祭神の名前や霊威を表す文字や図象・神社の名前が記され、清浄に奉製し、ご神前でお祓いをしたもので、神さまのご分霊でもあり神さまの力を宿したもので、様々な種類があります。 御神札(おふだ)御神札(おふだ) 神宮のお神札は「神宮大麻」と呼ばれ、大麻とは「おおぬさ」とも読み、お祓いに用いる祭具を意味します。古くは伊勢の御師(おんし)によってお神札として配布されてきましたが、明治天皇の思召(おぼしめし)により、国民が伊勢の神宮を敬拝するために全国各地におわかちすることになりました。 神宮大麻は節目ごとに様々なおまつりを重ねて、皇室の弥栄、国家の安泰、各家庭の平安を祈り、一体一体丁重に奉製されています。
神棚
神棚の起源
「古事記」では、天照大御神が伊耶那岐命から授かった御頚玉を尊い玉の神「御倉板挙之神」(みくらたなのかみ)として棚におまつりしたことが伺えます。 ご神威が宿る尊いものをおまつりすることは神代から受け継がれてきた日本人のこころです。 神社には私たちを守り導く神さまがおまつりされ、お神札には神さまのお力が宿ります。 神さまのお力が宿る尊いものを身近におまつりすることは、天照大御神によって示された手振りです。
お神札・神棚のまつりかた
神棚は居間や客間など家族が親しめる明るく綺麗な部屋の天井近くに南向きまたは東向きに設置します。 宮形が大きい場合(三扉)みとびら 中央に神宮大麻(じんぐうのおふだ)、向かって右に氏神さま、向かって左に崇敬(すうけい)する神社のお神札。 宮形が小さい場合(一扉) ひととびら 一番手前に神宮大麻、次に氏神さま、次に崇敬する神社のお神札をかさねます。
毎朝の食事前に感謝をこめて
お正月など家族にとって大切な日には野菜や果物などもお供えをします。そして、神さまにお供えをしたものは「お下がり」として家族でいただきます。 季節の初物やいただき物なども神棚にお供えしてから家族で頂戴したいものです。
それでも神々は、毎日のお供えや奉仕が叶わなくても、それがやむを得ないことであるのならば、お怒りになることなく私たちを見守って下さっています。