玉垂72号
発行:令和七年九月五日
節目を迎えて
立秋を迎え秋となりましたが、ご神域を南北に流れる一宮川では、連日家族連れの皆様が川遊びで凉を求めに訪れます。水着や浮き輪姿の元気な子供たちの童声に大神様もさぞお喜びのことと拝察申し上げます。
本年より、明神通り振興会の新規事業『青もみじライトアップ』も試験的に始まり、新たな夜の参拝スポットとして、皆様へ広くご案内できるよう明神通り振興会の活動にも協力してまいります。
さて、七月二十日に投開票が行われた参議院選挙では、投票率が十八年ぶりに五十八パーセントの水準に戻ったとの報道がありました。一方で、選挙期間中、とくにインターネット・SNSなどで過激な言論が目立っていました。あたかも内憂外患の我が国の状況を憂いているようで、相容れない政治家や言論人に罵詈雑言を浴びせる匿名のアカウントが随分と増えたように思います。日本語を粗雑に扱って、本当に日本のことを考えているのかと疑わしい気持ちに成らざるを得ません。言葉の丁寧さや過剰な自己演出への躊躇いなどが失われ、センセーショナルで過激な物言いが闊歩するSNSの情報に翻弄され、人心が大きく動かされたこともまた事実なようです。我が国の美徳である、言葉の美しさや自分の意見を表明する際の品格ある姿勢こそが、無用な分断を産まず本質的な議論を進める為にも肝要なことと存じます。
ところで、本年は終戦八十年の節目の年です。戦後生れが九割以上という我が国では戦争を知る人がほとんどいなくなり、多くの日本人にとって戦争が遠い過去の出来事になりつつあることは否めません。しかしながら、今日の我が国の存在、国民の命が繋がっているということは、先の大戦で尊い命を捧げ我が国を護った先人のお陰に他なりません。これは、決して忘れてはならない歴史の事実です。一方で、世代をまたいで平和な世の中が続くと、どうしても「平和が当たり前」という感覚になります。しかし、世界を見渡せば戦火は絶えませんし、侵略を目論む国もあります。したがって平和を維持する為には、外交力と国防力がセットであることは今や国際常識であると言っても過言ではありません。
私達は真剣に物事に取り組むとき、神仏やご先祖様に手を合わせます。同様に、戦歿者の慰霊と感謝の誠を捧げることは、平和への第一歩です。国の為に家族を思い散華された英霊とすべての戦歿者に深く思いを致し、「現在」から「未来」へ平和を維持していく為には何をなすべきか国民一人一人が真摯に向きあい行動を起こしてゆく節目の八十年であると存じます。
時節柄暑い日が続きますが、氏子崇敬者各位のご壮健を心よりお祈り申し上げます。
令和七年八月二十日