季節の便り
癒しの斎庭 季節を告げる花々が開花しています~トチバニンジン・ヤブラン・タカサゴユリ・シュウカイドウなど~ ◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆
Vol. 275:2022.08.26(金)
緑が勢い良く茂る最中とはまた違うこの季節ならでは自然を楽しむことができます。
この季節、早朝の参拝は清々しく、前日に小雨が降ると翌朝は霞がかった幻想的な風景にで出会うことができます。
子供たちの声が響き渡る賑やかな宮川とはまた違った風情を味わうことができるではないでしょうか。
それでは、季節の草花をお伝えいたします。
(トチバニンジン/令和4年8月25日撮影)
真っ赤な朱色が目を引く、小國神社の秋を告げる山野草です。
真っ白な小さな花を付けたのちに、朱色の実をつけます。
背丈は50センチほどですが、鮮やかな色と独特の姿のためすぐに見つけることができます。
日本原産の植物として薬草として薬用に用いられてきました。
(タカサゴユリ/令和4年8月25撮影)
台湾原産のタカサゴユリはテッポウユリと花姿が良く似ています。小國神社では夏の終わりを告げる花の一つです。
花に紫のスジ文様があることで見分けがつきますが写真のユリはごく薄い紫のスジのため、見分けがつきづらく感じました。
テッポウユリとの交配種や変異も起こりやすい種であることから、地域や生育場所によっては様々な変化があり、
違いを見つけるのも面白いかもしれません。
(シュウカイドウ/令和4年8月25日撮影)
漢字では「秋海棠」と書くように小國神社では秋を告げる花の一つで、この季節いたるところで見ることができます。
もともとは、大陸やマレー半島などに自生していましたが江戸時代に園芸用植物として持ち込まれて帰化したとされています。
薄桃色の花の中央に黄色い雄しべをつけ、少し控えめに下向き花をつけています。
良く見るととても可愛らしい花ですので、ご参拝の折にはぜひ観察してみてください。
(ヤブラン/令和4年8月25日撮影)
優しい紫色で稲穂のような花が沢山咲きます。小國神社では秋の訪れを告げる花の一つです。
日本をはじめアジア各地で見られる花の一つです。まだまだ、暑いこの季節に涼しさを感じさせる落ち着いた花です。
生命力も強く、庭などにも植えられることから皆さまとも馴染みが深いものかもしれません。
◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆
さて『季節の便り』では激動の変革期を治められ、国土と自然を愛し多くの優れた和歌を残された
明治天皇の御製(陛下がお作りになられた和歌)、昭憲皇太后の御歌(皇太后がお作りになられた和歌)
をご紹介いたします。
それぞれの歌に込められた大御心に触れて頂くきっかけとなれば幸いに存じます。
御 製
◇文机に むかう心のうれしきは まことの道にあへるなりけり◇
意 訳
◆机に向かい書物を読むときのうれしさは、真実の心の道理にであうことができるからです。◆
今回は御歌です。
ご皇室には図書寮(書寮文庫は,代々皇室に伝わってきたものを中核とする古典籍・古文書類)がありますが、
この御歌からは、先人たちから学びを得ることができる喜び、そして書物に記された先人たちの心に深く心を寄せられている御姿が生き生きと伺えます。
古きを学び、そこで得たものを現代に活かしてゆく心の姿勢は、時代がどのように変わろうとも大切なものではないでしょうか。
このような心の姿勢を、現代に生きる私たちも持ち続けたいものです。
職員一同、多くの皆様のご参拝を心よりお待ちしております。