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玉垂36号

発行:平成24年12月18日

秋の恵み

 本年四月の新東名開通後初めての紅葉シーズンは、各地よりの参 拝者に色鮮やかな情景をお楽しみ戴きました。事待池と紅葉のコン トラストの美しさに目をうばわれる方が多く見受けられましたし、 宮川の赤橋付近では誰もが写真を撮っておられました。また、宮川 の上流に続く遊歩道では、お子様連れのご家族が綺麗な落ち葉を仲 良く集めていました。十二月の初旬に低気圧が通過しほとんどの葉 が散った後には、土の道の上が落ち葉によって赤や黄色に彩られま した。春の花見と秋のもみじ狩りは、日本人の豊かな感性によるも ので「大和心」を感じます。来年も今年のように、長期間の観賞を 期待しております。  さて、新嘗祭には氏子の皆様方よりご神前に多くの農産物を奉献 戴きましたこと、厚く御礼申し上げます。品評会の表彰の通り当地 方の秋の味覚といえば様々でありますが、代表的なところでは次郎 柿です。次郎柿は江戸末期に森町の農民・松本治郎氏が太田川の河 原で見つけた幼木がルーツで、その後品種改良され全国に広まった とされています。現在でもその原木があり、静岡県の天然記念物に 指定されています。平成十八年十一月には、当社をご参拝遊ばされ ました伊勢神宮の池田厚子祭主様が立ち寄られ、原木から実を摘み 取られました。また、森町としては、毎年皇室に献上させて戴いて いるところであります。当社の氏子地域では多くの柿農園があり、 枝の剪定や施肥等を研究し互いに切磋琢磨して更なる品質の向上に 努められております。
 一方、十一月下旬に紅葉祭を斎行し、直会は地元の自然薯料理と 当社に伝わる古式神酒にて執り行いました。古式神酒の造り方につ いては詳しい記録がなく、現在でも神職の口伝により伝承されてい ます。年四回の酒造りは新米が収穫されてからの十月が最初の仕込 みで、約一ヶ月で出来上がり、新嘗祭前の稲祭からご神前にお供え することが恒例となっております。稔りの秋は、このように大神様 のご神徳を頂戴いたしているところであります。
 この時期何かと慌ただしくなってまいります。氏子崇敬者の皆様 方には、どうかご自愛の上良い新年をお迎え下さいますようお祈り 申し上げます。