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玉垂31号

発行:平成23年3月10日

開花前線

 平成二十三年の年明けは厳しい寒さが続きましたが、二月末頃に なりましてやっと暖かくなり、楽しみにしていた河津桜も咲きそろ ってまいりました。氏子崇敬者の皆様方には、ご健勝にてお過ごし のことと存じます。
 さて、当社には土、石、砂等に関する物の一つとして、拝殿と神 徳殿の間に「御霊砂」がお祀りされています。古来よりこの御霊砂 を撒きお清めした上で、工事や建築等を始めると災いがなく、無事 に成就されると伝えられています。御霊砂は境内を流れる宮川の川 砂を利用しています。御本殿横より三百メートル程上流にある堆積した場所より砂を採取し、小石等を取り除きます。その後は天日に 晒すことと、金属製の細かい網が張ってある箕を使い漉すことを交 互に数回実施します。次に綺麗になった砂をお祓いした後、御本殿 の床下に運び、木製の樽の中に入れて数年鎮めます。最終的には御 霊砂の場所に移されお祀りされます。以前は直接この場所から砂を お受けになる方もおられましたが、現在は社頭にて授与いたしてお りますのでご希望の方はご利用戴ければ結構です。また、地鎮祭に て使われる「鎮めの石」もお祓いの後に、御本殿の床下にて一時鎮 めます。使われる時は神饌所の真名井の井戸水にて洗い清め乾燥の 上、奉書にて丁寧に包み太い麻ひもにて縛ります。この「鎮めの 石」は地鎮祭斎行後に住宅等の土中に祀られます。この様に境内の 砂、石等は神社の大切な神具として活用されております。
 暖かくなると例祭への準備が進みます。一方、弥生三月から卯月 四月に掛けては、染井吉野やしゃがをはじめ様々な花が咲く時期で もあります。ご参拝の折にお時間がございましたら、是非少し足を のばされて、宮川沿いの境内を散策してみてはいかがでしょうか。
斎庭の草花や新鮮な空気と森林浴、さらには風の音や川の水音もお 楽しみいただけます。氏子崇敬者の皆様方には、どうかご平安にて 日々お過ごしになられますようお祈り申し上げます。