玉垂20号
発行:平成19年6月18日
夏に向かって
当社にとって初夏の風物詩とは花菖蒲です。本年も五月中旬より
順調に開花し、休日ともなると多くの参拝者にお楽しみ戴いており
ます。時期の花だけに毎年綺麗に咲かせるためにはその後の植え替
えが大切です。株分けの時期は六月下旬から約二週間が適してお
り、雨中でもジリジリとした暑い日射しの中でも作業をいたしま
す。この植え替え作業の丁寧さが、来年の開花状況の良し悪しを決
めるのです。
さて、六月三日の宮代神饌田「御田植祭」は、関係各位のご理解ご協力を戴き、恙なく斎行できましたことに厚く御礼申し上げま
す。例年「御田植祭」は斎行しておりますが、特に本年は森町教育
委員会のご指導のもと、「田遊び神事」が国の選択指定されたこと
を記念し「民俗芸能・民俗行事公開大会」として開催致しましたと
ころ、森町立旭が丘中学校関係者及び生徒のお田植えには特別なお
取り計らいを戴きました。公開大会では、延宝八(一六八〇)年四
月六日に記された「遠州一宮記録」をもとに特殊な神饌を復元し紹
介しました。また、田遊び神事を三段演じるとともに、水口での呪
文奉読を再現いたしました。更に旭が丘中学校の生徒達には衣装を
着け、田圃に入り田植えをしました。白丁を着けた五月男四人と白
衣・緋袴姿の五月女八人が、田植え歌の調べに合わせて、早苗を上
に掲げたり左右に振る所作をしながら、真剣にご奉仕をして戴きま
した。この時は宛ら何処かにタイムスリップしたような心持ちであ
りました。折角様々な方々のご協力のもとに実施できたのですか
ら、末永くこの伝統文化を継承していきたいと存じます。
昨年五月に着手いたしました記念事業「社務所の増改築工事」は
一年間順調に進捗し、屋根の部分が出来上がり、現在は内部の工作
行程に進んでいます。ご参拝の方には何かとご不便をおかけします
が、引き続き温かいお力添えをお願いいたします。
今年は梅雨の期間が短いという予報ですが、神饌田の早苗の成長
には恵みの雨が必要です。これからの暑い夏を呉々もご自愛の上、
お過ごし下さいますようお祈り申し上げます。