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玉垂19号

発行:平成19年3月7日

御 挨 拶

 正月以来の暖冬のせいか、境内の梅も満開を過ぎ早咲きの桜が 開花し、山笑う季節となりました。氏子崇敬者の皆様には、ご平 安な日々をお過ごしのことと拝察申し上げます。
 お蔭様で、進めております御鎮座一四五〇年記念事業も第一期 の「舞殿御屋根替え」も終わり、現在は第二期の「社務所の増築」 工事が順調に進行し、本年九月末には竣工の運びとなります。現 在は最終事業である「斎館及び休憩所」の建設に向け諸準備と募 財活動を継続致しております。何卒、ご理解、ご協力の程あらためましてお願い申し上げる次第であります。  さて神社の近況ですが去る一月十九日に鎌倉時代から当社に伝 わる「田遊び」が、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民 俗文化財」(国選択)に選ばれました。正月早々誠に名誉なこと と関係者と共に喜んでおります。
 この田遊びは、昭和三十五年に県の指定文化財となりましたが、 今日までの間奉仕者の減少などさまざまな問題を克服し現在に至 っており、先人のご努力にあらためて敬意を表し感謝申し上げた いと存じます。この上は、調査研究を進め、記録作成の責任を果 たしてまいりたいと存じております。又同時に、無形の民俗文化 財は、人から人への伝承であり、後継者を含め多くの国民に、伝 統文化に対する理解がなければ後世に伝えていくことは困難です。 小國神社の「田遊び」「十二段舞楽」は、国民皆の財産として育 んで頂きたいと念じております。
 ところで、伝統文化と言えば昨年十二月、制定いらい約六十年 ぶりに改正されました「教育基本法」が頭に浮かびます。改正点 を見ますと、「公共の精神の尊重」や「伝統の継承」の理念が前 文に新たに盛り込まれたほか、「伝統と文化の尊重」や「国と郷 土を愛する態度を養う」「豊かな情操と道徳心を培う」ことが教 育の目標として明記されました。
 昨今の非人道的な事件の多発を見ます時、我国の伝統や文化、 そしてその周辺の精神文化から学ぶべきものは多く、今回の改正 は時を得た画期的なことだと思います。
 一日も早い実行に期待したいものです。