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玉垂16号

発行:平成18年3月1日

御 挨 拶

平成十五年九月十四日、当社に御参拝賜りました秋篠宮紀子妃殿下に おかせられましては、御懐妊との報道に接し衷心よりお祝を申し上げ、 この上は御無事の御出産を謹んでお祈り申し上げます。
月日の流れは早いもので、つい先日正月を迎えたと思っていましたら、 早節分も終り春を待つばかりとなりました。氏子・崇 敬者の皆様方には、 平成十八年を着実に歩まれておられることと拝察申し上げる次第であり ます。
昨年は、御鎮座一四五〇年一色で過ごした一年でしたが、同時に始めました記念事業も順調に進み、第一期工事の舞殿のお屋根替えや修復も無事 に終えることが出来ました。
また、三年計画の募財活動も、着実に進み多くの方々の 御理解と御協力 に、唯々感謝申し上げるのみであります。
本年は、記念事業も引き続き第二期に進み社務所の増改築に着手いたし てまいります、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、昨今の世情は憂慮を越えて危機感すら覚えます。「マンションの耐 震偽装」「ホテルの不正改造」「ルールを無視した拝金主義」など経営者の モラルの欠如による犯罪が頻発しています。思い起こせばモラルの欠如は 何も経済界だけ の話ではありません。昨年の衆議院議員選挙においても 「刺客」が出たり「人寄せパンダ」が出たりで、最もモラル(人の道)を 重んずべき政治の世界でも、子供たちでさえ目を覆う程の有り様でした。
しかしこれらの現象は、一部の特殊なケースではないように思います。
自己の利益や勝ち負けのみに拘り、そのためには自らモラルハザードを下げ て何とも思わぬ人間が急増しているのではないでしょうか。
また近年、「改革」とか「改正」が至る所で聞かれますが、結果として 改悪になることも少なくありません。特に倫理や道徳が低下した次元に迎 合するような改革は慎むべきです。何故ならば、問題を先き送り しただけ になるからです。さらに一方で、日本が続く限り守らなければならない制 度や慣習も多くあります。昨年末、忽然と表われた「皇室典範改正案」な るものは、その最たるものです。世界に類例のない我国の皇位は、如何な る時代にあっても男系の天皇によって継承されて来たのです。この事実は 皇位継承の伝 統であり、同時に日本の国柄中の国柄であり、そして二千年 の歴史には、時代時代の人々の想いが重くのしかかっているのです。今に 生きる私たちは、時代のランナーとして引き継いだ伝統を次の世代に正し く伝える責任を負うているのではないでしょうか。