玉垂9号
発行:平成15年12月1日
師 走 雑 感
十一月は小さな子供たちが晴れ着を着けての七五三詣りがあり、菊花の前で記念撮影をしている姿が多く覧られました。二十三日は新嘗祭を斎行いたし、四十八回目となる奉納農産物品評会が開催されました。
さて、近年、地域共同社会の加速度的な変容、また常識を身近に教える場である家庭の崩壊が進んでいるといわれています。このような状況下において、多くの氏子・崇敬者から正常化に向け神社に寄せられる期待の大きさを実感いたします。神社は地域の文化・伝統が凝縮されています。そんな観点から地域社会に多少なりとも役に立てばと思います。今、もっとも必要なことは歴史に学ぶことではないでしょうか。幸いにしてわが国の歴史には、先人が築いた精神文化があり、混迷した時には突破口となった多くの徳が生きています。よく言われることですが、日本人とはなにか。今まさにこのことについて正面から取組まなければならない時です。神社に関係する人々の役割は殊のほか重いと自覚せねばなりません。幸い当社には様々な関係団体が組織されています。総代会・振興会・敬神婦人会・氏子青年会・舞楽保存会・崇敬会などであります。因に振興会は今年で結成五十二年目であり、敬神婦人会は四十五年目となります。また、氏子青年会は三十周年の佳節を迎えました。各会は敬神の誠をつくすことが一義でありますが、その活動を通じて地域社会に貢献することも重要な役割であると思います。
今年もあとわずか、師走の晦日には大祓式を斎行し年越しを迎えるわけでありますが、新しい年は大神様のご加護のもと厳しい世情を勇気をもって乗り越え、明るい一年となるよう祈らずにはいられません。何れに致しましても、崇敬者各位におかれましては、ご自愛の上よいお年をお迎え下さいますようお祈り申し上げます。