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玉垂6号

発行:平成14年12月1日

お伊勢さまのお神札

「お伊勢さま」の名で親しまれている伊勢の神宮は、正式には「神宮」と申し上げます。神宮は、皇室の御祖であり日本人の大御祖神、総氏神と仰がれる天照大御神さまをまつる皇大神宮(内宮)と、天照大御神さまのお食事を司り、衣食住はじめ産業の守り神である豊受大御神さまをまつる豊受大神宮(外宮) の両正宮を中心とする百二十五の宮社の総称です。その神宮の神域内で白衣に身を包んだ人々の手により清浄な上にも清浄を期して奉製されるお神札を「神宮大麻」といいます。「大麻」とは、もともとお祓いに使われた麻などのことでしたが、後にお祓いを受けて授けられるお神札のこともこう呼ぶようになりました。私達の住むこの日本の国が、天照大御神さまの御神徳により秩序づけられ発展してきたことに感謝し、古くから神宮大麻をおまつりしてきました。江戸時代迄は「御祓大麻」「御祓いさん」などとも呼ばれ、御師といわれる人々によって配られていました。そして明治五年に明治天皇の大御心により神宮司庁から直接全国に頒布されるようになって、今年で百三十周年の記念の年を迎えました。神宮大麻は、天照大御神さまの御力を発揮して頂いて、これを拝むものに恩頼を蒙らして頂くものとして、また、その「大御霊」として大麻をお受けして大御恵を頂くものとして、おまつりされます。
日本には、新年(正月)に、ものみな改まり新しくなるという思想があります。新しい年を清々しく迎え、年毎に御神徳を重ねていただけるよう、毎年暮になると神宮大麻は皆様の氏神さまを通じて頒布されます。神の恵みと祖先の恩とに感謝して「家庭のまつり」を行うことで、やさしさや思いやりにあふれる豊かな心を育み、麗しい伝統を受け継ぐことができます。新年には、神宮大麻・氏神さま・崇敬する神社のお神札をおまつりし神さまとともに清らかな一年を大切にお過ごしください。

明治天皇御製
天てらす神の御光ありてこそわが日の本はくもらざりけれ