玉垂41号
発行:平成26年6月1日
初夏の輝きと共に
本年四月の例祭及び諸祭事は恙なく斎行いたしました。当社では
春の例祭を無事に修めますと、境内が一斉に初夏の色彩を帯びてま
いります。特に境内を南北に流れる宮川沿いには約七〇〇本のモミ
ジが植られております。光に照らされたモミジの若葉は大変清々し
く、木々の緑が笑っているようで自然の力強い生命力を感じます。
森林浴には精神的な安らぎをもたらすことは広く知られていますが、
科学的な効能として樹木が発散する天然物質により、免疫力の向上
を同時にもたらすという研究結果もあるそうです。昨年から当社の
新緑から紅葉までの季節をお楽しみ頂けますようにと、「明神通り」
にお店を構えます「久米吉」が四月下旬より宮川沿いに「宮川桟
敷」をオープンいたしました。ご参拝の折、御神域の緑に身も心も
包まれながらの休息は日々の煩雑さから解放され、新たな活力が湧
いてくるものと存じます。
さて、去る三月二十九日地元森町には新東名にある森・掛川イン
ターチェンジに引き続き二つ目の玄関口である遠州森町スマートイ
ンターチェンジが開通となりました。当社までの道程が約七分と大
幅に短縮されましたので、ご参拝の際は是非、ご活用ください。当
社といたしましても門前通りの「明神通り振興会」との連携を一段
と深め、ご参拝の皆様を心からお迎えすると共に地域の振興に努め
てまいりたいと存じます。
ところで、先日地方新聞の投書欄に森町についての記事が掲載さ
れておりました。投稿者の方は森町を訪れた際の印象として、「新
旧文化融合の町」と高く評価をされていました。この人口二万人程
の小さな町には当社の十二段舞楽を含めまして国指定重要無形民俗
文化財の指定を受けた舞楽が三つもあります。この地方にこれだけ
の伝統芸能が今も継承されているのは、奉仕を続けておられる方々
が常に神々を敬う心をもって奉納されてきた証だと存じます。この
護り伝える精神と時代を担う若者の感性が融合し、時代に則した伝
承活動がさらに継続されることを願っております。