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玉垂43号

発行:平成27年3月15日

春に祈る

平成二十七年の年明けは小雪混じりの中、厳しい寒さのお正月を迎えました。
 二月末頃になりましてやっと暖かくなり、楽しみにしていた当社の河津桜も咲きそろってまいりました。氏子崇敬者の皆様方には、ご健勝にてお過ごしのことと拝察申し上げます。
 さて、近年のご参拝の傾向といたしましては、厄除大祭の期間に併せて初詣と共に大勢の皆様が一年の無事を祈り、厄除祈祷を受けられます。厄年には遠い祖先から受け継がれてきた人生の節目を大切にした生活の知恵や教訓が込められています。厄年の年回りの方は、無事に年を重ねた事の喜びをかみしめ、神々に生かされていることへの感謝の心を持ち、慎み深く一年を過ごすことが肝要です。
 ところで、本年は大東亜戦争終結より七十年の節目を迎えます。
天皇皇后両陛下におかれましては終戦六十年にあたる平成十七年、サイパン島へのご慰霊の行幸啓の折、バンザイクリフにて深く黙礼されるお姿を拝し深く心を打たれました。そして本年四月には激戦地であったパラオ共和国に行幸啓遊ばされるとの報道が既になされています。今日の我が国の繁栄は先の大戦による多くの戦歿者の礎の上に築かれたものであることを忘れてはなりません。そして、自国の為に尊い命を捧げた人々の御霊に慰霊の誠を捧げ、世界の平和を祈る心を変わることなく次世代にも伝えていかなければなりません。
 一方、東日本大震災から四年が過ぎ、多くの地域で復旧・復興が進展しつつあるものの、その進捗に差が生じています。福島県では、今なお多くの住民が避難生活を余儀なくされ、深刻な風評問題に直面しています。被災された方々の心の拠り所である住み慣れた「故郷」の一日も早い再建を、それぞれの立場にて支援と助力を力強く継続していく必要があると存じます。
 花々が咲き始めますと、御例祭も近づいてまいります。職員一同、神慮を畏み、国の安寧を祈り、社務に精進致したく存じます。各位のご壮健をお祈り申し上げます。