玉垂50号
発行:平成二十九年七月三十一日
暑中御見舞い申し上げます
平素より当社に対します、ご崇敬はもとより祭事、行事に至るまで、ご理解、ご協力を賜りますこと、感謝申し上げます。
ところで、近年自然災害が多発しております。地震、集中豪雨など局地的ではありますが全国各地に広がり、多くの被災地では大変な思いをされており、衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げる次第であります。同時に災害は明日の我が身、「助け合い」と「備え」は常に心掛けねばと思います。
さて、小國神社の社報『玉垂』は平成十三年一月に創刊以来、年間三〜四回のペースで発行し此の度五十号の節目を迎えました。広報紙の性格上、神社の祭典や行事のご報告や予告が中心となりますが、境内の草花や野鳥などの四季の風景には、毎号新たな発見が多く小國神社の社叢の素晴らしさを実感させられたことがしばしばあります。
この玉垂は、神職が記事や写真を分担し編集されております。従って個々の表現に個性がでますが、それゆえの面白さを感じて頂けているのではと存じます。
今般、五十号を機に編集係では、紙面をA4サイズに拡大し、情報量の充実に努めてまいります。また、従来の内容に加え「ご皇室の弥栄」、「国の平和と発展」そして氏子崇敬者をはじめ国民の幸せを大神様に日々祈る立場から、日本のあるべき姿を求め社会的問題や時宜的問題にも時には目を向けてまいりたいと存じます。
昨今の日本は、おぞましい事件や意趣返しとしか思えないような不可解な事案など目を覆いたくなるようなことが多発しております。
一方、世界に目を転じればテロ、独裁、ミサイル発射と不安要素でいっぱいです。これらに共通する点は、独り善がりの正義感や平和主義にあるように思えてなりません。
このような現実は悲しいことですが、これを乗り越えるのもまた人間の叡智です。
神道の理想は「共存共栄」です。この実現には、正統な競争や論争の結果としてうまれるもので、これこそが正に生みの苦しみなのでしょうし、避けて通ることはできません。
我国では、初代神武天皇が建国の時に発せられた詔で「世界が家族のように一つになる社会の実現」をお示しになられました。後に、「人道の普遍的な原理」として外国の人々にも高い評価を得ていますが、今こそ私たち日本人が再認識すべきではないでしょうか。
そして、実践あるのみです。
この度の記念号発刊に際しましては、内外でご活躍中の森町ご出身の書家、杭迫柏樹先生に題字を揮毫頂きました。また、森町ご出身の憲法学の権威、百地章先生に憲法学の立場からご執筆頂きました。さらには、ご多忙中にもかかわらず『神社と地域が一丸となって』と題し、神社本庁総長田中恆清様より玉稿を賜りました。この場をお借りし、お三方に対し厚く御礼を申し上げます。
皆様のご健勝とご多幸を祈念しご挨拶と致します
小國神社 宮司 打田文博