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玉垂69号

発行:令和六年七月二十五日

聖旨を拝して

 畏くも天皇陛下におかせられましては、去る四月八日『第六十三回神宮式年遷宮』の御準備を取り進めるよう伊勢の神宮の久邇朝尊大宮司に御聴許遊ばされました。これにより、令和十五年の遷御にむけて、三十三に及ぶ遷宮諸祭・諸行事が本格的に取り進められることとなりましたこと御同慶の至りに存じます。
 ご周知の通り、伊勢の『神宮』は、皇大神宮(内宮)・豊受大神宮(外宮)をはじめとする一二五宮社の総称で、我が国における至高の神社です。
 神宮式年遷宮は、持統天皇の御代に定められ、『皇家第一の重事』として、歴代の天皇が一三〇〇年に亘り国家国民の平安と安寧を祈り、回を重ねること六十二度に及ぶ歴史と伝統を有する『国を挙げての重儀』として継承されてきました。
 昭和二十年以降、敗戦によるGHQの占領政策によって、国費による支弁を絶たれましたが、戦後の社会的疲弊と経済的困窮をも乗り越え、国民の熱誠とともに成し遂げられてきたことに深く思いを致し、私たち国民は、来る第六十三回神宮式年遷宮完遂に向けて、夫々の赤誠を積み重ね、神宮無双の大営をお支えし、ご皇室を中心とした我が国の麗しい国柄を子々孫々に繋いでいかなければなりません。本年は、その大切なスタートの年です。氏子・崇敬者の皆様におかれましては、深いご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 ところで、混迷を極める現在の国際社会において、ほんの数年前と世界の様相がまるで違うことに、多くの国民が戸惑いを感じているのではないでしょうか。ウクライナ戦争、中東紛争、台湾有事の行方など、我が国を取り巻く情勢がこれほど緊張を孕み、一層深刻さを増している事態は、先の大戦以降初めてのことです。さらに、先に実施された英国やフランスの選挙結果も今後さらに二極化する世界を予見させるものとなりました。我が国においていよいよ、先延ばしにしていた安全保障や緊急事態に関する憲法改正についても実現しなければならない時だと存じます。日本の平和は『日本の自立』なくしては、ありえないのです。
 ご神域では、もみじの青葉が噎せ返るように青々と茂り、人の一生で例えるのであればさながら生命力漲る青年期のようです。清流一宮川では子供たちの童声が響き渡り、心を和ませてくれます。この美しく穏やかな風景を一〇〇年、二〇〇年と護り繋いでいかなければならないと切に思います。
 職員一同、神慮を畏み国の安寧と世界の平和を祈り社務に精進致したく存じます。
氏子崇敬者各位のご壮健をお祈り申し上げます。

令和六年七月九日