玉垂61号
発行:令和三年三月二十五日
ご挨拶
令和三年の年明けは、厳しい寒さが続き北日本や日本海側では記録的な降雪を記録したところもありましたが、当社では二月末には河津桜、三月に入り枝垂れ桜も咲き始め桜の季節となりました。氏子崇敬者の皆様におかれましては、ご健勝にてお過ごしのことと存じます。
さて、本年の初詣でございますが、三が日に限らず二月末日までを初詣期間とした分散参拝のご協力やご参拝時のマスク着用など、当社公式WEBサイトを始め様々な形にて感染防止対策をお願いして参りました。皆様の感染症予防への意識も高く駐車場の混雑も少なく拝殿前でもソーシャルディスタンスを保ちつつご参詣いただきました。これも偏に皆様方のご理解ご協力の賜物と衷心より感謝申し上げる次第であります。当社と致しましては、当面感染対策を実施し皆様のご参拝を心よりお待ち申し上げておりますので、是非とも感染拡大防止にご協力の上、ご来社賜りますようお願い申し上げます。
当社で令和二年より進めております「天皇陛下御即位記念 令和のお屋根替え」の記念事業でございますが、第一期工事の真名井及び神徳殿・渡り殿のお屋根替えが昨年十月に無事完工し、現在は第二期工事であります御本殿のお屋根替えに着工しております。
去る一月十八日、午後五時より仮殿遷座祭を斎行し、大神様に御本殿の隣に鎮まります並宮へお遷りいただきました。翌日よりは、葺き替え工事に伴う木製の足場を組み始め、古い屋根の解体作業が始まりました。今後、工事が順調に進みますと本年十一月には真新しいお屋根の御本殿をご覧いただけることと存じます。引き続き、ご支援ご奉賛
を賜りますようお願い申し上げます。
そして、昨年はもう一つ大変喜ばしい出来事がございました。令和二年十二月、世界の伝統文化などを保護するユネスコ無形文化遺産に我が国の「伝統建築工匠の技・木造建築物を受け継ぐための伝統技術」として建造物の装飾や彩色を始めとする十七分野の技術が登録されました。これは我が国の伝統建築技術の価値が世界的に認められたこと
を意味します。また、今回登録された技術の中には当社社殿のお屋根に使われています檜の皮で葺く「檜皮葺」や「檜皮採取」の技術も含まれており、ユネスコ無形文化遺産に登録された翌年が偶然にも当社御本殿のお屋根替えの年となりましたことは、大変感慨深く大神様の御神慮と申し上げるほかありません。本年夏頃には御屋根の葺き替え作
業が始まりますので、その時期に併せ檜皮葺作業の見学会を予定致しております。全ての皆様とは参りませんが、先人達が大切に護り受け継いでこられました伝統技術を出来るだけ多くの皆様にご覧いただきたいと考えております。
境内に春の花々が咲き始めますと、いよいよ御例祭です。各位におかれましては、どうかご平安にて日々お過ごしになられますようお祈り申し上げます。
令和三年三月十日