玉垂60号
発行:令和二年十二月二十日
師走を迎えて
年の瀬を迎え一年を振り返ります時、何といっても中国武漢から発生いたしました新型コロナウイルス感染症であり、未だ全世界に猛威を振るっております。まずもって、この新型感染症によりお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、現在闘病中の皆様の一刻も早いご回復をお祈り申し上げます。そして、新型感染症が発生以来、自らの危険も顧みず一人でも多くの命を救うため、また感染拡大を防ぐため、献身的な努力をしてくださっている医療従事者・医療関係者の皆様に心より感謝申し上げる次第であります。一方、残念なことに感染者への誹謗中傷や風評被害も散見されますことは悲しいことです。コロナ禍にあって、気持ちも塞ぎがちですが、科学的根拠に基づき冷静な行動に努め、この国難を乗り越えてゆかなければなりません。
さて、四月以来延期されていました「立皇嗣の礼」が十一月八日、宮中におきまして無事厳粛の裡に執り行われました。この儀式は、天皇陛下の御譲位と新帝陛下の御即位に関わる一連の儀式の中で最後の儀式であり、天皇陛下より秋篠宮文仁親王殿下が皇位継承第一位の「皇嗣」となられたことを国の内外に宣明する重要な儀式であります。この宣明により、皇位継承順位は悠仁親王殿下が第二位となり常陸宮正仁親王殿下が第三位になられますが、安定的な皇位継承には決して十分な状況ではありません。特に悠仁様をおささえする世代の皇族方をいかに確保するかが重要な課題です。古来例外なく男系男子により継承されてきた伝統を尊重し慎重な対応が必要です。政府は大御心を拝し
議論を先送りするのではなく真摯に取り組んで頂きたいものです。
また、本年は教育勅語が渙発されましてから一三〇年という節目の年にあたります。
この教育勅語は、明治維新により急速に西洋化する我が国において道徳心の荒廃を懸念された明治天皇が日本人の心の拠り所である道徳の根本、教育上の基礎となるものを示すために編纂を命じたものと言われます。よく話題にされるのが、「一旦緩急アレバ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ幸運ヲ扶翼スヘシ」の部分であります。これは、「国家の平和と国民の安全が脅かされそうなときには愛する祖国や同胞家族を守るために、それぞれの立場で勇気を出して力を尽くしましょう」ということであります。書かれている内容は、至って当たり前のことです。教育勅語は、私たちが忘れかけている徳目が三一五文字の中に凝縮されています。この十二の徳目を改めて見つめ直し生きるよすがとなれば幸いです。
当社で昨年より進めております「天皇陛下御即位記念 令和のお屋根替え」の記念事業でございますが、工事は順調に進み第一期工事であります真名井及び神徳殿・渡り殿のお屋根替えが無事に完工致しました。いよいよ来年からは、ご祭神が鎮まります御本殿のお屋根替えに着工致します。引き続き、ご支援ご奉賛を賜りますようお願い申し上
げます。
令和二年十二月十五日