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玉垂55号

発行:平成三十一年三月二十五日

日本の国柄に思いを致して

 先ず以て、天皇陛下におかせられましては、本年御即位三十年の佳節を迎えられましたこと慶賀の至りに存じます。大御代の弥栄とご皇室のご安泰をお祈り申し上げます。
 さて、本年は御代替りという我が国にとって最も重要な儀式が相次いで斎行されます。
この度の今上陛下の御譲位による皇位の継承は、憲政史上初めてのことであり、歴史的には光格天皇以来、二〇二年ぶりとなります。来る四月三十日に御譲位遊ばされ、五月一日には皇太子殿下が初代神武天皇より数えて一二六代目の天皇に御即位遊ばされます。
新帝陛下の御即位に伴い、孝徳天皇の「大化」に始まり「平成」に至る二四七の歴史と伝統を有する元号が改まります。そして、御即位を神々に奉告する祭事や国内外に皇位の継承を宣明する儀式、さらには、国民挙げての奉祝行事が年末まで続きます。
 この御代替わりに伴う御大礼の祭事や儀式を通じて、私たちは、二六〇〇年以上にわたり万世一系の天皇を戴いてきた我が国の国柄、価値観、世界最古の王朝であるご皇室を中心とした他の国に類例のない歴史と伝統に改めて触れることになります。そして、その麗しい国風は、インターネットやテレビを通じて諸外国にも広がり、私たちが戴く日本の天皇陛下とご皇室に対して世界の人々の注目が集まり、我が国への理解や関心が一層高まることと存じます。
 天皇陛下とご皇室が護り伝えてきた尊い大御心。それは、国民の幸せ、国家の安寧、さらには世界の平和を祈る、「祈りのお姿」であられます。他の国々が日本を大切な国だと思うその源泉はまさに、天皇陛下とご皇室のご存在によるものと存じます。幕末から明治への激動の変革期のなか、自らのご生涯に九万首以上の歌を残された歌聖明治天皇が明治三十七年にお詠みになられた御製があります。
 「しきしまの大和心のををしさはことある時ぞあらはれにける」
内外ともに混迷を極め、変革の時を迎えつつある世相にあって、今こそ大和心を顕す時ではないでしょうか。そして、新たな大御代を迎えるにあたり、改めて、私たちは、日本の国柄に思いを致し、麗しい伝統文化を後世に繋いでいかなければなりません。
 当社では、来る新帝陛下の御即位を奉祝し、四年の歳月を費やし、御本殿以下社殿群の檜皮葺屋根替え事業を実施して参ります。世情厳しい折かと存じますが、何卒、趣旨をご理解頂き、ご賛同を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。奉祝事業計画の詳細につきましては、改めて、ご報告をさせて頂きたく存じます。  桜が咲き始めますと例祭も近づいて参ります。職員一同、神慮を畏み国の安寧と世界の平和を祈り社務に精進致したく存じます。氏子崇敬者各位のご多幸をお祈り申し上げます。

平成三十一年三月十九日