TOP季節の便り | 新緑に染まる癒やしの斎庭 青もみじが見頃です○明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ○
2024.06.14

新緑に染まる癒やしの斎庭 青もみじが見頃です○明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ○

今年は例年と比べ梅雨入りが遅めですが、小國神社の6月は下り坂の天気が続いています。
この時期は、前回お伝えしたとおり花しょうぶが見頃を迎えていますが、
青紅葉を始めとする新緑もまた、小國神社の風物詩としてご神域を青々と彩ってくれています。

それでは、ご神域の新緑をお伝えいたします。

御神橋上の紅葉の葉先が淡く赤色に染まっていました。
この時期に葉先だけ赤く染まる種の木は、確認できる限りではこの木のみです。(令和6年6月11日撮影)

美しい枝先の青紅葉。無剪定にも関わらず枝葉が綺麗に揃うのが、大自然の不思議です。(令和6年6月11日撮影)

足元に目線を落とすとドクダミの花が咲いていました。(令和6年6月11日撮影)

宮川を覆いかぶさるように茂る青紅葉は、さながら屋根のようで涼しげです。(令和6年6月11日撮影)

道端に、鳥の巣を見つけました。小國神社は野鳥の宝庫でもあります。(令和6年6月11日撮影)

川奥の方は御神橋付近とはまた違って、荘厳な装いをみせています。(令和6年6月11日撮影)

また、紅葉の葉をよく見てみると、羽根の形をした赤い実のようなものが見受けられます。

これは、紅葉の種子です。 種子の周りにたけとんぼの羽のような膜が付いたもので、「翼果」といいます。
紅葉の種は、このたけとんぼ状の羽根で風を受け遠くまで飛び、くるくる回りながら地面に着地します。
種は緑色→赤色→茶色と淡く変化していきます。

足早に時間が流れる現代、都会の喧騒から離れ、小國神社で神様の運ぶ季節の移ろい、
風にそよぐ葉音に心を休ませてみてはどうでしょうか。

○明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ○

さて、この『季節の便り』では激動の変革期を治められ、国土と自然を愛し多くの優れた和歌を残された
明治天皇の御製(陛下がお作りになられた和歌)、昭憲皇太后の御歌(皇太后がお作りになられた和歌)を
ご紹介いたします。

⬜︎国のため 民のためには夏草の ことしげくとも つとめざらめや⬜︎

意訳:この国のため、我が民のためには、たとえ生い茂る夏草のようにわずらわしい事が次から次へと起ころうとも、心ゆるめず努めてゆこうと思う。

樺太の戦いが勃発した明治38年にお詠みになられた御製です。
日露戦争は同年に締結されたポーツマス条約を以て日本の勝利で終戦しましたが、
敗戦国であるロシアと同様、我が国は、国も民も疲弊しきっていました。 そのような多難な時局でも、
国民の苦しみを陛下ご自身の苦しみと捉えられ、近代国家の建設に邁進あそばされました。
常に国民に思いを巡らされ、国を導く支柱にならんとあそばされた陛下の御姿は、国民の生きる力の源泉となったのではないかと拝察申し上げます。

職員一同、皆様のご参拝を心よりお待ちしております。