TOP季節の便り | 令和7年 新緑が輝く癒しの斎庭 青もみじが見頃を迎えていますー明治天皇御製めいじてんのうぎょせい昭憲皇太后御歌しょうけんこうたいごうみうたに親しむー
2025.05.09

令和7年 新緑が輝く癒しの斎庭 青もみじが見頃を迎えていますー明治天皇御製めいじてんのうぎょせい昭憲皇太后御歌しょうけんこうたいごうみうたに親しむー

初夏の爽やかな風がご神域を吹き抜け、小國神社の境内は若葉の鮮やかな緑に包まれています。
木々の間から差し込む陽の光が青もみじを照らし、まるで翡翠を散りばめたような美しい光景が広がっています。まさに神々が織りなす季節の移ろいを肌で感じられる時期となりました。

毎年5月から8月頃まで見頃を迎える青もみじは、秋の紅葉とはまた違った魅力でご参拝の皆様の目と心を和ませてくれます。
若々しく爽やかな息吹を感じられるこの季節、宮川のせせらぎに耳を傾けながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

現在青々と輝いている木々も、秋には紅葉となって赤や黄色に染まります。この色の変化には自然の巧みな仕組みが隠されています。

普段、葉が緑色に見えるのは「クロロフィル(葉緑素)」という色素があるためです。秋になり気温が下がると、クロロフィルが分解され始め、普段は緑に隠れて見えなかった黄色の「カロテノイド」という色素が現れます。
また、赤く紅葉する木では、「アントシアニン」という赤い色素が新たに作られます。この色素は光合成で作られた糖を使って合成され、葉の細胞の液胞に蓄えられるのです。

神さまは、一年を通して私たちに大自然の美しさを見せてくれます。若葉の青々とした命の輝き、紅葉の華やかな終焉の美しさ。その両方を感じることができるのも、四季の移ろいを運ぶ神さまの恵みです。

自然の中に神さまを見出すおおらかで豊かな信仰は、今も変わらずに日本人の根底に流れています。足早に時間が流れる現代社会において、都会の喧騒から離れ、癒やしの斎庭で麗しい季節の移ろいを全身で感じていただければ幸いです。

人々の様々なご縁を結ぶ 縁結び「もみじ守」のご紹介

水引でもみじの葉をかたどった「もみじ守」を授与しております。
今の季節は青もみじの若葉色のお守りも美しいです。
授与所にておわかちしておりますので、ぜひ足をお運びください。

▢明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ▢

さて、この『季節の便り』では激動の変革期を治められ、国土と自然を愛し多くの優れた和歌を残された明治天皇の御製(陛下がお作りになられた和歌)、昭憲皇太后の御歌(皇太后がお作りになられた和歌)をご紹介いたします。

❝「みづがきの 松の根ざしの ゆるぎなき 
                      
             国のさかえを 神はもるらむ」❞


口語訳:神殿を囲む瑞垣の内に、しっかり根ざしている松のように揺るがぬ国の栄えを、
    神は護っていて下さることでしょう。

今回は昭憲皇太后の御歌です。

昭憲皇太后様がお詠みになられたこの御歌は、瑞垣みずがきに囲まれたご神域の松が地中深く根を張る姿に、神々のご守護によって培われた国の基盤を重ね合わせておられます。2600年以上にわたり連綿と続く皇室の祭祀と、それを支える国民の真心こそが、揺るぎない国柄くにがらを形作ってきました。
松の常磐ときわの緑が季節を超えて輝き続けるように、神々は変わることなくこの国を見守り、その「いのち」の連鎖を育み続けてこられました。私たちが今こうして伝統を継承できるのは、まさに目に見えぬ神々のご加護と、祖先の祈りがあってこそと拝察申し上げます。

職員一同、皆様のご参拝を心よりお待ちしております。