TOP季節の便り | 斎庭の草花 ナベワリ・ツボスミレ・ヒメハギが開花しています。◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆
2020.04.25

斎庭の草花 ナベワリ・ツボスミレ・ヒメハギが開花しています。◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆

朝晩はまだまだ冷え込みが厳しいこともあり、本年は花が散ることなく長くその姿を保っています。例年に比べても珍しい季候ではないかと感じます。

これより、気温が上がるとの予報もあります。ご神域の緑は深みを増してゆくものと存じます。

カメラを片手にご神域の各所を巡っていると、小さな季節の移ろいに多々出会います。
季節の花の開花はもちろん、若葉の色の繊細な移ろいを目にすると少しづつ季節が進んだことを実感します。

現在、外出を自粛されている方も多いかと存じます。心が塞がりがちな世相ではありますが、当社の花々の開花情報をご覧いただき、心も身体も清々しくかお過ごしいただければ幸いに存じます。

それでは、開花情報をお伝えいたします。

(令和2年4月25日撮影:宮川沿いのナベワリ)

少し変わった形と名前をもつのがこのナベワリです。
葉が有毒で,舐めると舌が割れる。とのことから「舐め割り」がなまってナベワリになったとも言われています。

葉に隠れるようにしてをぶら下がった形で花をつけるため、立ったまま見下ろしてもなかなか花に気がつきません。

(令和2年4月25日撮影:ヒメハギの開花)

やや乾燥した山野の日当たりの良い場所に咲くマメ科の多年草です。北海道、本州、四国、九州、沖縄など広く分布しています。

世界では、フィリピン、インドシナ、ヒマラヤなどに分布しています。
和名の由来は、同じくマメ科のハギより少し小さいことからヒメの名がついているそうです。

(令和2年4月25日撮影:ツボスミレと同定されるスミレの開花)

以前にもご紹介いたしましたがスミレは種類がとても多く、
微妙な個体差があることから同定することが難しい植物です。

こちらのスミレは宮川沿いに咲いていました。
葉が全体としてきれいなハート型になるものが多い印象でした。


日々、新たに感染症についての報道がなされています。正確な情報を把握し不自由、不便を乗り越え、冷静に対応することで、一丸となって鎮静化に努め、この国難とも言える事態を乗り越えてゆくことが大切であると存じます。

不平や不満では解決することは難しいものです。

職員一同、国の安寧と世界の平和を祈り、社務に精進してまいります。

◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆

さて『季節の便り』では激動の変革期を治められ、国土と自然を愛し多くの優れた和歌を残された明治天皇の御製(陛下がお作りになられた和歌)、昭憲皇太后の御歌(皇太后がお作りになられた和歌)をご紹介いたします。

それぞれの歌に込められた大御心に触れて頂くきっかけとなれば幸いに存じます。

御 製

◇たまぼこの 道のゆくての わか草は ふまれながらに 花さきにけり◇

意 訳

◆道のゆくてに生えたけなげな若草は、行き交う人々に踏まれながら、それにもめげず、けなげに花を咲かせている。◆

今回は御製です。

4月も後半を迎え、不安を抱きながら新しい生活がスタートし、入学、入社当初から自宅での待機やテレワークなどで日々を送られている方も多いかと存じます。

厳しい状況からのスタートに心も塞ぎ込み、不平不満を漏らし、気持ちを腐らせてしまうこともあります。

しかしながら、あきらめることなく、心を揺らがせることなく自身のするべきと決めた目標に向けて真摯に努力を重ねれば、必ず、道は開けてゆくものと存じます。
このことは、多くの先人たちが示された道でもあります。

艱難辛苦を乗り越え、激動の変革期を治められた明治天皇の力強い大御心であると拝察申し上げます。