斎庭の草花 エビネ・オニタビラコが開花しています。◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆
初夏の風爽やかな風が境内に吹き渡ります。季節はゆっくりと着実に移り変わっていきます。
夏鳥で鮮やかな黄色の胸元が特徴のキビタキのさえずりも澄み渡っています。
明日より、五月となります。風薫る五月と言われるように爽やかな季節となりました。
我が国には地方の言葉なども含めると2000以上の「風」を表す言葉があるといわれています。
日本語の多様性に改めて驚かされます。
辞書やインターネットでも用例が多数見つけることができるかと存じます。
現在、外出を自粛されている方も多いかと存じます。心が塞がりがちな世相ではありますが、晴れた日に部屋の窓を大きく空けて、季節の風を感じながら、その名前に思いを致すことも「心の潤い」に繋がることと存じます。
それでは、開花情報をお伝えいたします。
当社の花々の開花情報をご覧いただき、季節の移ろいを感じつつ心も身体も清々しくかお過ごしいただければ幸いに存じます。
春咲きのエビネはさまざまな植物ウイルスに感染しやすく、栽培が難しいとも言われます。
とくに地から移すと枯れてしまうことが多いそうです。
当社では、毎年、植物ウィルスに感染することもなくひっそりと健やかに成長し、初夏の風に花を揺らしています。
和名のエビネは、10年以上も残ると言われる古い球茎は、地表近くに連なります。その様子がエビに似ていることに由来します。
こちらのエビネは少し赤みがかっています。
変種もしくは亜種であるかと存じます。
エビネは変異や亜種が一定数発生すると言われています。
白も美しいですが、この色合いも控えめな発色で違った美しさがあります。
春の七草の一つ「ほとけのざ」はコオニタビラコに似ているため、良く間違われることもあります。
オニタビラコは道路沿いなどにも咲くとてもありふれた花で、目にするかたも多いかと思いますが、花の名前を知らない方も多いようです。
日に日に力強い緑へと移り変わっていきます。
日々、新たに感染症についての報道がなされています。正確な情報を把握し不自由、不便を乗り越え、冷静に対応することで、一丸となって鎮静化に努め、この国難とも言える事態を乗り越えてゆくことが大切であると存じます。
不平や不満では解決することは難しいものです。
職員一同、国の安寧と世界の平和を祈り、社務に精進してまいります。
◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆
さて『季節の便り』では激動の変革期を治められ、国土と自然を愛し多くの優れた和歌を残された明治天皇の御製(陛下がお作りになられた和歌)、昭憲皇太后の御歌(皇太后がお作りになられた和歌)をご紹介いたします。
それぞれの歌に込められた大御心に触れて頂くきっかけとなれば幸いに存じます。
御 製
◇近きより ゆかむとしては なかなかに 遠くぞまよふ 世の中のみち◇
意 訳
◆急がばまわれの諺のように、近道をしようとするとかえって遠まわりとなって迷うことがある。世の中の道もそのようなものです。◆
今回は御製です。
心余裕がない時ほど、急いで解決への近道を選び、失敗することが多々あります。
世の中の道理もそのようなことであり、熟慮を重ね、冷静な判断のもとに進むことが肝要です。
一部報道などでは、明らかにロジックをすり替えて、過度に不安や怒りを煽るようなものもあるようです。
私たちは、常に熟慮を心がけ、冷静に適切な行動をしてゆきたいものです。
激動の変革期を治められた明治天皇の力強い大御心であると拝察申し上げます。