初夏の風情 一宮花しょうぶ園の開花状況(咲き始め)◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆
現在、江戸系・肥後系・伊勢系など80種類、約8万本の花しょうぶのうち早生の品種が見ごろを迎えつつあります。
これより、6月中頃にかけて中生、晩生も順々に咲きそろいます。
初夏の風情を感じる当園へお越しください。
□一宮花しょうぶ園□
■開園日程 令和4年6月中旬まで(開花状況により前後します)
■開園時間 午前9時から午後5時頃まで(土・日曜日は午前8時半から開園いたします)
■入 園 料 300円(団体割引もございます)
■送迎バス 6月1日から6月16日まで遠江一宮駅・小國神社間の送迎バスを毎日運行いたします。
(開花状況により閉園が早まった場合は、運行日程も変更となる場合があります)
※ 丹精込めて育てた園内の花しょうぶの株分け販売(一株1000円)もおこなっております。
花しょうぶは白、桃、紫、青、黄など多数あり、絞りや覆輪などとの組み合わせを含めると5,000種類あるといわれています。
その品種の多さに驚かされます。
□一宮花しょうぶ園の歴史といま□
~小國神社の神職と地域の奉仕者が心を込めて育てています~
『一宮花しょうぶ園』は、昭和35年にご神域に点在していた野生の花しょうぶを境内地の一角に集め試作をしたことに始まります。
現在でも変わることなく、神職と奉仕員が心を込めて一株ずつ丁寧に植え付けをします。
800坪の園内には、80種類8万本の江戸系、伊勢系、肥後系の花しょうぶが早生、中手、奥手と順々に咲き揃います。
凜とした花姿は、見る人の心を優しく包み込み、日本の美の奥ゆかしさを伝えています。
神さまが運ぶ季節の恵みを全身で感じ、当園で過ごす時間が忙しい毎日を送られている皆さまの心安らげる時間になれば幸いに存じます。
◆明治天皇御製(ぎょせい)・昭憲皇太后御歌(みうた)に親しむ◆
さて『季節の便り』では激動の変革期を治められ、国土と自然を愛し多くの優れた和歌を残された明治天皇の御製(陛下がお作りになられた和歌)、昭憲皇太后の御歌(皇太后がお作りになられた和歌)をご紹介いたします。
それぞれの歌に込められた大御心に触れて頂くきっかけとなれば幸いに存じます。
御 歌
◇かぎりなく たちかさなりし 雨雲も はるればはるる 水無月の空◇
意 訳
◆次から次へと重なる雨雲も、ひとたび晴れると、爽やかに晴れ上がるのが梅雨の空です。◆
今回は御歌です。
鋭く観察された自然の順行に人の心を重ね、心の内を穏やかに詠まれた御歌です。
梅雨空のように厚く重なり、ふさぎ込んだ心も、そのままでありつづけることはない。
晴れ渡る空のように必ず清らかになる。
大らかで慈愛に満ちた御心であると拝察申し上げます。
□昭憲皇太后について□
~社会福祉や女子教育に尽力された生涯~
昭憲皇太后は嘉永3年、一条忠香公の第三女としてお生まれになられました。
生涯にわたり、女子教育のご奨励と博愛、慈善事業について尽力されました。
なかでも、お茶の水の東京女子師範学校の設立の際には、多額のお手許金(私有財産)を下賜(かし)されたことは広く知られています。
とりわけ、日本赤十字社の設立と経営に尽くされ、赤十字国際委員会に寄付された「昭憲皇太后基金(Empress Shoken Fund)」は、赤十字の平時における救護活動の先例となりました。
いまでもその基金は、世界各国の赤十字助成のために活用され、今日までその恩恵に浴した国は、延べ500ヶ国におよんでいます。
大正3年4月11日に崩御され、伏見桃山東陵に埋葬されました。
現在は、東京都代々木に鎮座する明治神宮において、明治天皇とともにそのご神霊がお祀りされています。
職員一同、皆さまのご参拝を心よりお待ち申し上げております。