日本の文化と神社

八百万(やおよろず)の神さまが見守る国

自然とともに生きる日本人の心。

八百万(やおよろず)とは、数え切れない程たくさんという意味です。この言葉が示す通り、日本の神話である「古事記」や歴史書である「日本書紀」には多くの神さまが記され、現在もお祀りされています。

参拝

祭祀

御神鏡

小國神社の御祭神「大己貴命(おおなむちのみこと)」も神話に登場する心優しい「縁結びの神さま」として広く知られています。しかしながら、そのような神さまが全てではありません。

私たちの祖先は四季の移ろいに敏感に反応しながら生活の営みを続けてきました。太陽や雨や風など、自然界に起こる様々な現象や天変地異などの荒々しい力の中にも神々を感じて恵みを与えてくれるよう祈ってきました。そして、自然をつかさどる神さまは、わたしたちの生活すべてに関わる神さまとして人々を見守っています。

約八万社あるといわれる日本の神社

日本人は自然にある万物、また自分たちの祖先を神さまとして崇めてきました。

日本人は古来、人智を越えるような巨石、清らかな水が沸き出る泉、あるいは山そのもの、川そのものに神さまが宿ると考え、祈りをささげてきました。全てのものに神が宿り、八百万の神がいるとされる神道の始まりです。そして今日まで、「自然と人」、「人と人」とが協調をして暮らす穏やかな営みを続けてきました。

本宮山

奥磐戸神社

神社は、もともとそこに存在していたわけではありません。いつのころからか、生活を共にする人々が集い、神さまのために社を建て、神々を意識する場が整えられ「感謝」と「祈り」をささげる場が「神社」となり、御神威が広がってきました。

このような祈りの場を設けることで、自然の営みの中から神々を見いだし、生き方を学び、親から子へとその心が受け継がれる中で「自然を大切にする気持ち」や「人をおもいやる気持ち」が育まれ、日本人の伝統的な信仰の礎と日本文化の形を築いてきました。

私たちは古くからの伝承や歴史をふまえながら、心身ともに豊かに暮らす知恵を生活のなかに生かし、神さまと共に生活をしてきました。そして、その中心にはいつも神社がありました。

神社はいかなる信条の人も拒みません、いつどんな時にも訪れて良い場所です。ふらっとなんの計画もなしに訪れることもあれば、様々な祈りや願いをもって訪れることもあります。わたしたちの一生は神さまのご加護で溢れています。

神社のお祭りと四季の暮らし

「お祭り」とは、自然の恵みに感謝し祖先のこころを今に伝える神事。

神社のお祭り

神饌

金幣行事

お祭りという言葉に、華やかな行列や芸能、賑わう屋台などが立ち並ぶ催しなどを思い浮かべる方が多いかもしれません。一般的に特別な日として印象深いこのお祭りの本来の姿は、「神社の神さまのために執り行う儀式」です。

お祭りでは、神饌(お米をはじめ季節の作物)をお供えし、「感謝」や「祈り」の言葉である祝詞(のりと)を奏上して神さまにお喜びいただき、おもてなしをすることが一番大切な目的です。

神さまのもとに地域の人々が集まり、共に喜びを分かち合う特別な日。この様子が賑いをみせる「お祭り」の光景です。

神社では一年を通して沢山のお祭りや儀礼があります。

  • 春には1年の豊作と諸産業の発展を祈るお祭り
  • 夏には作物の害虫除けや疫病除けを祈るお祭り
  • 秋には収穫や諸産業の発展に感謝するお祭り
  • 冬にはこの1年を感謝し穢れを落とす大祓式などのお祭り

お祭りは、地域の発展や平穏、人々の安全につながる公の祈りと言えます。自然が与えてくれる豊かな恵みに感謝し、日本の伝統にもとづいて、神々に対する祖先のこころを今に伝える大切なかたちです。お祭りを通して、自然と調和する日本人の生き方がはぐくまれてきました。

このような「四季のお祭り」を通して、私たちは神々に感謝し、祈りをささげ、季節を感じ、暮らしに節目をつけて、心も身体も豊かに暮らしてきました。

「日本の文化」を伝える季節ごとの「お祭り」や、人の一生における「儀礼」は伝統の継承とともに、私たちの地域や生活に節目をつくり、明るい彩りを加えてくれます。

小國神社「七五三」

小國神社「大祓式」

小國神社「えんむすび」お守り

「神社のいろは」では、今まで気がつかなかった、生活に溶け込んだ様々な「神さまとの関わり方」とわたしたちの一生における「神さまとの繋がり」をご紹介いたします。皆さんも、家庭のお祭りをはじめ、地域のお祭り、様々な人生儀礼に参加してみてはいかがでしょうか。